“北区な人々”に出会うクロストークイベント第5回「きたくろす」が開催されました!(8/24)

8月24日(木曜)17時00分より、第5回きたくろすが鈴蘭台駅すぐ近くのハンキーパンキー食堂にて開催されました。
今回のテーマは使い続ける大切さについて。北区に広がる「空き家」「空き地」、北区に残る「伝統」「文化」。一見全く違うテーマのようですが、どちらも使い続けることが大事という共通点があり、関わられている登壇者の方のお話をお伺いしました。

自己紹介タイム

有野台自治連合会会長 黒田光昭 氏
六甲北山麓に位置する有野台の自治連合会会長を務める。日々、多岐にわたる要望に応えながら、高齢化した自治会のコミュニティに課題を感じて「有野台を考える会」というプラットフォームにて様々な実証実験に取り組んでいる。
また、空き家対策にも積極的に取り組んでいる。

eu建築設計代表(一財)淡河宿本陣跡保存会代表理事 村上隆行 氏
神戸市農村定住促進コーディネーターとして空き家の所有者と移住希望者のマッチングを行いながら、一級建築士として古民家をカフェにしたりなど、古民家の改修設計も手掛けている。
古民家が改修されて、いろいろな用途で使われるようになるのが素敵だなと感じました。

神戸R不動産 ディレクター/Lusie Inc.取締役 岩崎大輔 氏
30代で2拠点生活をしていた。元々は西宮市在住だったが、子どもの小学校入学と同時に北区へ移住。空き家の改修企画をして飲食スペースやコワーキングスペースなどを作っている。また、兵庫区平野町で街歩きのイベントを開催している。
「ボロボロの家を買ってしまった人がみんなからいいじゃんと言われてイベントをするまでになった」というお話は印象的でした。

六甲丹生かぶき世話役 藤本一美 氏
農村歌舞伎の世話役。兵庫県の農村歌舞伎舞台の数は全国でも有数。江戸時代に都会で盛んになった歌舞伎を自分たちの手で楽しみたいという気持ちで始まった農村歌舞伎。昭和にいったん途絶えたこの伝統芸能を再興、継承している地域の団体の一つが六甲丹生かぶき。神戸に現存している現役の舞台は3か所。神社の境内にあり、茅葺の屋根のある舞台で演じ、観客は舞台前の広場で見物する形が神戸のスタイル。
「コロナ時はお客さんを呼べず収録配信のみでさみしかった。今年はお客さんを呼んでできるのがうれしい!」とおっしゃっていました。
今年は11月5日(日)にあいな里山公園で行うそうです。

㈱中西総合ガーデン 小橋良子 氏
鈴蘭台すぐ近くの会社、ガーデンオーヴ(㈱中西総合ガーデン)に勤める。(ガーデンオーヴのオーヴは、北区の地名である「小部(おぶ)」と同じ読み方で、フランス語では「夜明け」という意味とのこと!素敵なネーミングです。)鈴蘭台駅再整備において、駅前の植栽のデザインを手掛けられた。
昔の鈴蘭台駅にあった「おかえりなさい」というモジュールをイメージしてデザインされたとおっしゃっていました。

クロストーク

登壇者の活動紹介が盛り上がったあと、3つのテーマについてクロストークが行われました。

1つ目のテーマは、北区とのつながりについて。
「現在の活動を始められたきっかけや、北区とのつながりは?」

藤本さん
ある日、子どもがチラシを持ってきて、歌舞伎のクラブに入ったのがきっかけ。一番上の子が入り、最終的には子ども4人とも歌舞伎クラブに入った。最初はクラブ活動についていくだけだったが、だんだん歌舞伎の奥の深さにハマって、今や20年。北区を離れると農村歌舞伎ができなくなるので離れられなくなった。農村歌舞伎を多くの方にぜひ知っていただきたい。

岩崎さん
北区は都市と農村の間だから、自然の中で暮らすことにトライできる場所を作るには絶妙なロケーション。いきなり農村や山に暮らすのはハードルが高いが、特に鈴蘭台は茅葺古民家が残っていたり、山(菊水山)にも親しみがあり、取っつきやすさがある。

村上さん
正直なところ仕方なく住んでいる(笑)田んぼを持っている農家の長男に生まれ、土地も所有しているので逃げられない(笑)今は好きになりました。

小橋さん
元々岐阜県中津川市に住んでいたが、自分が山育ちなので、子育てをするには山の近くがいいと思い北区に移住した。北区は程よく都会で、自然もあって、気に入って住んでます。

黒田会長
元々東灘区に住んでいたが、親が北区に家を買ったので、北区に住み始めた。自治会にかかわったのは、当番を代わってあげたのが始まり。取り組み始めると色々見えてきて、そのうち連合会長を務めるまでになった。20年近く自治会に関わっている。北区は住み心地がいい。今住み手のある家を次の世代にどう繋げていくかが地域の課題と感じている。

北区に引っ越してこられた方や北区に元々住んでおられた方など、みなさんの背景が様々でした。
2つ目のテーマは、北区の好き嫌いについて。
「北区の好きなところや嫌いなところは?」

村上さん
嫌いな部分は、住んでいる地域の周りで歩調を合わせないといけない独特な空気があるところ。淡河ワッショイは30代40代も多いが、自治会は70代が多く女性は0人。この差を近づけていければ…。
好きな部分は、県外にでて神戸市に住んでいるというと「おおー」と言われるところ(笑)

小橋さん
私も、おしゃれなところに住んでいるねと言われることはあります(笑)北区の好きなところはいっぱいある。嫌いなところとしては、子どもが三宮に出ようとすると交通費が結構かかるところ。帰りも大変。足腰が強くなるのはいいが(笑)

藤本さん
北区の好きなところは江戸時代の風景がそのまま残っているところ。この景色を当時の人も見ていたのかなと思いながら見ている。田んぼや川の地形の成り立ちが見えやすい。宝物がたくさんあるので、それを繋ぐ方法を考えていけたら。北区大好き。

岩崎さん
北区に住んでから、日常に温泉も山もあるし、旅行に行きたいという欲求が少なくなった。森に囲まれているところで暮らしているからか、毎年風邪ひいていたのがなくなって、体調も良くなった。あと、人が穏やか。嫌いな部分というよりか、土地ごとの個性や固有の風景をここ数十年で失ってきたなと思う。

黒田会長
好きな部分としては、山の中の住宅地という落ち着き。ゆとりのある地域を残していきたい。嫌いな部分としては、自分は阪神の大ファンなのだが、最後まで試合を見てその後も会場の盛り上がってる雰囲気まで味わうと、終電がなくなってしまって帰りづらいところだけかな(笑)

北区に住んで体調が良くなるなんてすごい効果です…!
3つ目のテーマは、北区の未来について。
「これからの北区に期待することや、これからの北区で自分がやりたいことは?」

黒田会長
全国的に高齢化、過疎化していて、一気に過疎化する恐れがある。関係機関と連携しながら、北区の魅力を広げていけたらと考えている。これから色々見てまわりたい。

村上さん
古民家の改修は、色々な可能性があると思う。自分が小さい頃は、家で牛を飼いつつ、宴会場もあるなど、一つの建物で複合的な機能を持っていた。これから、北区の魅力を発信できるような仕事に携われたらと考えている。他には、まだ具体的なアイデアはないが、山を価値あるものにしたい。

岩崎さん
今ある貴重な資源を残していくことに注力するのが重要だと思う。自分がやりたいこととしては、都会育ちだが、山で遊んだ思い出もあり、そこで得た感覚とかを伝えていきたい。まずは自分の家の周りでやって、その輪を広げていけたら。

藤本さん
江戸時代からの変わらないものをそのまま大事にしてほしい。今あるものを大事にして、人が集まる地域にしてほしい。今のままの北区を残してほしい。

小橋さん
今仕事で取り組んでいるのは都心部だが、北区のような広い土地で、空き地の草原をそのまま生かす感じで、余分な草を抜いて、色々な植物を植えられたらと想像が膨らむ。
気候も、実は都心より北区の方が北海道のようなガーデンができるんじゃないかと思ってます。“NORTH KOBEガーデン“ですかね。そんな土地とやりたい人いたら是非!!また、今、地域産の苗を探していて、北区で宿根草などの地産苗作っている人、作りたい人がいたら情報を教えてほしいです!

つい、今あるものをこれからどう変化させていくかに目を向けてしまいがちですが、北区にはすでに素晴らしい景色や文化があることに気づかされました。

クロストークの後は、会場から岩崎さんへ質問が。
「鈴蘭台で人を集めようとすると、経済活動がうまくいかないと難しいと思うが、北区にお店が少ない原因はなんだと思いますか?よく学生がご飯を食べる場所がないと言われますが…。」

岩崎さん
北区は住宅地が多く、商業地と住宅地が分離され、住環境を守る雰囲気が強い。昔の、「仕事して、寝に帰る」という、いわゆるベッドタウンの要素が強いからだと思う。
お店が継続しづらい環境がいちばんのネックではないか。住宅地では商業地と違って年間で人を集めるのが難しいので。業界によるが、一つの業態だけでは成立しづらくなってきていて、複数の業態を組み合わせるケースも増えてきている。

最後に

今回は、鈴蘭台駅すぐのカフェを貸し切り実施しました。アットホームな雰囲気で、登壇者のみなさんの熱い思いが伝わる会でした!

きたくろすは、今年区制50周年を迎える北区の記念事業の一環で、北区内で活動している“北区な人々”を“クロス”させる企画として今年一年間を通して実施されます。
次回以降も開催時にはこちらのサイトに掲載していきますので、ぜひチェックしてくださいね!

参考リンク
(村上さん)淡河宿本陣跡ホームページ:https://www.ogo-honjin.com/
      eu建築設計ホームページ:https://at-eu.com/
(岩崎さん)神戸R不動産ホームページ:https://www.realkobeestate.jp/
(藤本さん)六甲丹生かぶきホームページ:https://www.facebook.com/rokkonibukabuki
(小橋さん)ガーデンオーヴ(㈱中西総合ガーデン)ホームページ:https://www.garden-aube-arc.jp/

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