第4回きたくろすが開催されました!(7/7)

7月7日(金曜)17時30分より第4回きたくろすが開催されました!
今回のテーマは北区の「自然」。北区の自然と一緒に活動されている登壇者は、なんと過去最大の6名。とても面白いトークだったので、こちらで簡単にご報告します。

自己紹介タイム

遠藤さん(magatama field)
八多町で、都市住民や子ども達が農業や環境を学ぶことができる場「magatama field(マガタマフィールド)」を運営。歩きながら農村を学ぶ農村エコツアーを北区のあちこちで開催したいとの目標もあるとか。「小さいころから川遊びが好きだった。大学ではミジンコを研究し、ミジンコはかせと呼ばれていた」という話が印象的でした。

大家さん(大沢町地域事務局
生まれも育ちも大沢町。農業が本業でありながら、地域の交通問題や賑わいづくりを担当する事務局や大沢町名物「どろんこバレー」の実行委員長と大忙し。「どろんこバレーには、20年前から参加し続けている方、神戸から出て行っても参加してくれる方がいる」と、高齢化で悩む大沢町を盛り上げるための想いがこもった言葉でした。

日野さん(鈴蘭台エコアップ・プロジェクト)
幼いころよく遊んでいた鈴蘭台の近くにある天王ダムのビオトープ(生物の生息場所)に仕事で関わることになったのがきっかけで、仕事が終了した今もボランティアで管理を続けられています。「天王ダムに残っている自然をまちと結びつけていきたい」とのこと。

諸田さん((株)ミックウェア)
今回のメンバーでは異色のIT企業社員。「自然」と何が関係あるのか?と思いましたが、会社で開発しているアプリが凄いんです。地域の伝承・神話をめぐる「たまむすび」、登頂した山をコレクションする「山コレ」。神戸電鉄とも共創されていたり、生き物探索アプリとのコラボも進行中のようで、北区の「自然」との相性はばっちりでした!2025年の大阪・関西万博にあわせて兵庫県で展開される「ひょうごフィールドパビリオン」にも認定されているそうですよ。

安田さん(川の音ベース)
10年以上まえに閉鎖されたキャンプサイトを復活させようと全力で取り組まれています。その場所は、都市のこんな近くでこんなにも自然が残っているのか!と訪れる人みんなが驚く山田町柏尾谷。川が美しすぎることから「川の音ベース」と名付けたそうです。安田さんの専門は「防災」、レジャーというよりも「災害時も生き延びる術を学べる場所をつくっていきたい」という言葉は説得力ありすぎでした。

山中さん(特定非営利活動法人北区子育て支援センター/のらふぁーむ)
保健師の資格を持ち、行政の子育て支援事業のサポートもしながら、親子とのかかわりの場づくり、農を学べるワークショップなどの活動をされています。北区の農を盛り上げていくために、自身も農家になるべく農業スクールに通われています。「自分で食べ物を育てたり、道具をつくる“手仕事”を増やしたい」という山中さんの考え方は、環境意識が高まっている現代の若者にとっても伝わりやすいかもしれませんね。

クロストーク

登壇者の活動紹介で、会場が一盛り上がりした後、司会の舟橋さんから質問が投げかけられました。
「今の活動を続けるにあたっての課題や、今の北区の嫌な部分は?」

大家さん
「農村は土地利用規制が強い。自然を守るために必要な制度だが、逆に何もできず徐々に土地が荒れていくことがあるんじゃないかな? 少子高齢化で、地元小学校の今年の新入生は一人だけ。移住者に来てほしいが、空き家が見つからない。」

遠藤さん
「北区に嫌いなところはない、ただ、世代間の認識の差を感じる。新しい取り組みを始めたくても、年輩の方の理解がもらえないことがある。地域からの後押しがあればありがたいのだが、、、」

日野さん
「私も、北区に嫌いなところが全くない。今の取り組みは色んな人と一緒にやりたいので、近隣にチラシを配布して参加者を募るがなかなか増えない。自然に関心が無い人を巻き込みたいが、、、学校にも声をかけるが難しい。久元市長はとても自然を大事にされているが、学校にはその意識がまだ届いていないようだ。」

諸田さん
「アプリをつかって、北区を巡る人を増やしたい。そのために移動しやすさが大事。神戸電鉄の駅までは辿りつけるが、、、その後の二次交通がない。別の交通手段との連携が今後の課題。」

皆さんの意見を聞いていると難しい問題が見えてきます。担い手、世代間ギャップ、交通、多くの地域に共通する課題ですよね。北区、大丈夫かな?

舟橋さんから、立て続けに質問。
「課題があっても自分がこれからやりたいことは何か?北区の未来はどうか?」

諸田さん
「北区には、茅葺民家や伝統芸能など、京都ほど派手ではない“昔ながらの暮らし”が残っている。インバウンドで日本にやってくる外国人にも必ず伝わる。それから、若者にも伝わるはず。市外に出ていった学生さんがUターンで戻ってくる場所にしたい」

大家さん
「やっぱり人口減少が大きな課題。若い移住者を増やすために色々とチャレンジをしているが、、、地域の方に新たな取り組みを理解してもらうのが難しい、今日のように外の人の意見をもっと取り入れたい」

安田さん
「山田町では、若い人達のグループ“これから部”に参加している。地域には新しい取り組みに対してネガティブな人がいるが、自分の地域の魅力に気づいていないだけ。若い人の目線など、違った角度からみると変わるはず。北区のポテンシャルはとても高い」

山中さん
「私の場合、逆に、地域の後押しがあって今がある。ご近所さんから、お掃除や溝掃除など、大変でしょ?と言われるが、地域とつながることができるし、地域に見守っていただけているようで、私は嬉しい。谷上は新参者に優しいまち」

課題ばかりかと思っていましたが、皆さんこんなに前向きに捉えてくれているのですね。勇気が湧いてきました。トークはどんどん盛り上がっていきます。

会場の皆さんからもいくつか質問。
「皆さんの活動の手助けになるような、“近隣にいてこんな事業者がいてほしい”、という業種はありますか?」

日野さん
「業種ではないが、地域通貨みたいな制度があればありがたい。ボランティアに参加したら、北区で使えるチケットがもらえるとか」

諸田さん
「おにぎり屋さん。神戸以外の人を連れてきて地域を歩き回っているとお腹がすく。そんな時、やっぱりコンビニではなく、地元のおにぎりを食べたくなる。」

遠藤さん
「こだわりが強いすごい古民家レストランはあっても、日常的に通えるご飯屋さんは少ない。普段使いできる食べ物屋さんはほしい。あとは泊まれる場所。せっかく農村まで来てくれても帰らないといけない」

大家さん
「使える空き家があれば、そんなお店ができるはず。」

安田さん
「缶詰工場がほしい。地域の特産物にもなるし、防災的にも保存食にもなる。あとは、溶接を教えてほしい。キャンプ道具などをつくることができる」

山中さん
「地域の農や食にアクセスできる場所。都心部ではファーマーズマーケットなどが開催されているが、北区にもほしい。直売所はあるが農業者に出会える場所は意外と少ない」

すごい、どんどんアイデアがでてきます。
会場の別の方からも質問。
「皆さんの活動にどうやって関わったらいいのか?情報をどうやって知るのか?」

遠藤さん
「まだまだ拠点づくりの途中。作業してくれる方がいれば大歓迎。ただ、広報が不得意ななので、逆にどうやって情報発信したらいいのか分からない、、、(苦笑)」

大家さん
「同じく、情報発信があまりできていない。チラシ撒くよりも口コミが大事だ。ただ、やり方が分からない(笑)」

日野さん
「活動日が決まっているので(毎月第1土曜日10時~日暮れまで)、ピクニックがてら、犬の散歩がてら、いつでも参加してほしい。途中参加、途中退席OKです。同じくSNSはフォロワーが増えません(笑)」

諸田さん
「うちのアプリもまだまだ改善が必要。SNSと連携して、もっと現地情報も発信したい」

安田さん
「キャンプ場、やることだらけ。ただ黙々と作業している。いつでも来てください!」

山中さん
「二十四節気ごとに活動している。暦マニアでして、、、(笑)。今日から“小暑”、次は“大暑”、二週間単位でインスタにアップします」

皆さんのトークは次から次へと展開し、気がついたら予定時間を1時間も過ぎていました。司会の舟橋さんも夢中になって時間を見失っていたようです。
今回のきたくろす、本当に勉強になりました。同じ北区の「自然」をテーマにした活動でも、登壇者の方々の活動や目的はさまざまでしたが、人と人とのつながりの機会をさらに増やして、北区全体の活性化にもつなげていきたいという皆さんの意識を感じました。

最後に

今回会場となったのは、谷上駅に6月末にオープンしたばかりのレンタルスペースです。このレンタルスペースは神戸市都市局がすすめている駅前活性化の実証事業の第一弾として、駅周辺にお住まいの方や駅を利用する方が気軽に利用できるように1時間単位で借りることができます。ぜひ使ってみてくださいね。ちなみに第二弾は神戸電鉄鈴蘭台駅前を予定されているようです。

きたくろすは、今年50周年を迎える北区の記念事業の一環で、北区内で活動している“北区な人々”を“クロス”させる企画として今年一年間を通して実施されます。
次回以降も開催時にはこちらのサイトに掲載していきますので、ぜひチェックしてくださいね!

参考リンク

(遠藤さん)農ある暮らしの学び場magatama field:
https://magatama-f.com/
(大家さん)大沢町HP
https://www.ozo.jp/
(日野さん)鈴蘭台エコアップ・プロジェクト:
https://kobe-shizen.net/
(諸田さん)神話探訪伝承アプリ「たまむすび」:
https://tamamusubi.com/
(安田さん)KOBE川の音ベース:
https://www.kawanone-base.jp/
(山中さん)農とくらしのワークショップのらふぁーむ:
https://reserva.be/norafarm/about

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